お知らせ

謹賀新年 新年のご挨拶

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令和3年 新年のご挨拶

岸和田商工会議所 会頭 中井秀樹

新年明けましておめでとうございます。

令和3年の新春を迎え、謹んでご挨拶を申し上げます。
旧年中は、岸和田商工会議所に対しまして、ご支援・ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、昨年の年明けより、新型コロナウイルス感染症が全世界に広まり、私どもの日常生活が大きく毀損され、世界中の経済活動はリーマンショックを大きく上回る深刻なダメージを受けています。日本国内におきましても、感染拡大は止まらず、政府から緊急事態宣言が発令され、社会経済活動は大きく落ち込みました。

解除後は、感染拡大防止に配慮しながら社会経済活動が再開され、国においても「GoToキャンペーン」が展開されるなど、一息ついた業界もあったかと思いますが、再びの感染拡大により中止せざるを得なくなりました。第一波、第二波、第三波と到来し、地域の中小企業の中には倒産・廃業をしてしまった事業所、年末年始に掛け苦しい資金繰りや事業の継続が難しくなってきている事業所など、危機的な状況が続いています。

当会議所としましては、昨年1月末より「新型コロナウイルスに関する経営相談窓口」を設置し、国・大阪府・市から打ち出される経済支援策を会員事業所に周知し、支援策の活用法や資金繰り、給付金・助成金の申請などに関して約五千件あまりの相談に対応して参りました。この様な時にこそ、商工会議所として果たすべき役割と責任の重さに身の引き締まる思いがいたします。

経営者の方におかれましては、自分の企業を存続させるための厳しさ、雇用を守っていく責務、資金繰りを含む経営環境の変化に対応していく等、どれひとつとっても厳しく難しい日々を過ごして来られたと思います。私どもが暮らしている、ふるさとを今こそ全身全霊の力を持って守り、苦しい中においても力を合わせて頑張っていかねばなりません。

商工会議所として、当面の支援に全力を注ぐと共に、やがて収まるであろうポストコロナの視点をしっかりと定め、次に備えていくことが大切だと思っています。

この経済情勢において、今後進むべき経営上の課題も多く見えてきました。日本社会全般にも言えることですが、デジタル社会への対応の遅れが明確になりました。感染症対策としてのテレワークへの対応、巣ごもり社会での需要構造の変化、ネット社会への変化などを通じて、社会全体としてデジタル化への適用が遅れています。

当会議所において、ITに関するアンケートを取ってみた結果、会員事業所においても導入や活用が進んでいない実情が明らかになりました。日本商工会議所の調査でも、厳しい経営環境の中でも4割を超える中小企業が社内業務の効率化などのデジタル投資に意欲を示していますが、デジタル化を推進する人材が圧倒的に不足しています。この様な状況を踏まえ、IT導入に必要な基礎教育に重点をおき、実践までの幅広い分野での多くの体系的セミナーの開催、専門家派遣、IT導入補助金の活用サポート等、従来の単発的なやり方を改め、実際に役立つデジタル化経営の推進を図って参ります。そして、この分野におけるこの地域を牽引していく事業者の誘致、発掘を推し進めて参ります。

また、岸和田全体で経済活動の持ち直しを図るため、農業協同組合・漁業協同組合など業種を越えた団体や、大阪観光局・KIX泉州ツーリズムビューロー等と連携を強め、地域資源のさらなる活用、産業活性化に取り組んで参ります。

コロナ危機以前の水準まで回復するには長い時間と、産業構造の劇的変化が考えられます。商工会議所として、会員企業の持続的な経営支援、地域経済の再生、発展のため、様々な課題や多様なニーズに応えるべく、役職員全員が今まで以上に頑張って参ります。

感染症の一日も早い終息と、あの以前の日常を取り戻すことを心より祈念して、新年のご挨拶といたします。